フリーソフトと無料Webサービスに潜むリスク | 中小企業サイバーセキュリティフォローアップ事業

2025.01.20

フリーソフトと無料Webサービスに潜むリスク

今回は、皆さまからいただいた「フリーソフトに潜むリスクや、利用時の注意点について教えてほしい」という質問にお答えします。

私たちの生活や仕事を支えるツールには、無料で利用できるソフトウェアやWebサービスが数多く存在します。これらはコストを抑えつつも、十分な機能を提供してくれるありがたい存在です。

しかし、「無料」という魅力の背後には、注意しなければならないリスクが潜んでいることをご存知でしょうか。今回の記事では、そのリスクを様々な視点から探り、安心して利用するための方法を考えてみたいと思います。

1.無料サービスに潜むリスク

無料で提供されるソフトウェアやWebサービスの中には、ユーザーにとって重要な役割を担っているツールもあります。

たとえば無料サービスには、次のようなものがあげられます。

・無料で利用できるウイルス対策ソフト

・動画や写真など大容量のファイルを一時的に保存・共有できるファイル共有サービス

・ソフトウェアをインストールせずにブラウザで利用できる、オンライン画像編集ツール

これらのサービスは大変便利なものですが、「無料」の背後にはユーザーにとって予期せぬリスクが潜んでいることがあります。

運営者が無料で提供する理由の一つに、ユーザーのデータを活用して収益を得る仕組みが隠れていることがあり、この仕組みが場合によってはユーザーに不利益をもたらすことがあるのです。

2.フリーソフトをインストールする際のリスク

まず、パソコンにインストールして使用するフリーソフトに潜むリスクを見てみましょう。

フリーソフトには、次のようなリスクが存在します。

(1)悪意のあるソフトウェアやマルウェアのリスク

無料で提供されるフリーソフトには、意図しないプログラムが仕込まれている場合があります。ダウンロードし、インストールする過程で、不正なプログラムがこっそりと紛れ込み、ユーザーが気づかないうちにマルウェアや不正プログラムに感染する危険性があります。これらのプログラムによって、インストール後に自動的に個人情報などのデータが搾取されたり、パソコンが乗っ取られたりすることがあります。

(2)セキュリティ更新の遅延

最新の脅威に対応するためには、定期的なソフトウェアアップデートが必要不可欠です。

しかし、有料のソフトウェアに比べて、無料のソフトウェアはセキュリティ更新が遅れることがあり、最悪の場合、更新が全く行われないこともあります。

3.無料Webサービスのリスク

次に、パソコンにソフトウェアをインストールしなくても使える無料Webサービスに潜むリスクについて考えましょう。

これらのサービスの多くは、利用者の個人情報やデータを扱うため、以下のようなリスクがあります。

(1)個人情報やデータの漏えいのリスク

無料Webサービスは、広告やユーザー情報を収益源とすることが一般的です。

このため、ユーザーの個人情報やデータ、利用履歴が悪用されるリスクがあります。

サービスを利用する前に、利用規約でどのようにデータが取り扱われるのかをしっかりと確認しておくことが重要です。

(2)サービス終了時のデータ消失のリスク

無料Webサービスは、運営者の都合でサービスが突然終了する可能性があります。

サービス終了と共に、アップロードして保存していたデータが永久に失われるリスクがあるため、データのバックアップを取るなど、十分な注意が必要です。

4.安全に利用するための対策

どのようにすればこれらのリスクを回避しながら、フリーソフトや無料のWebサービスを活用できるのでしょうか。以下のポイントに注意しましょう。

(1)インストール前のチェック

フリーソフトをインストールする前に、提供元やダウンロード先が信頼できるものか必ず確認しましょう。

公式サイトからダウンロードすることが基本です。

また、インストール時には、不要なオプションやツールバーが追加されないように確認することも大切です。

パソコンやスマホ内でどのような情報と連携するのかを確認することも忘れないようにしましょう。

(2)利用時のセキュリティ対策強化

無料サービスに限らず、Webサービスを利用する際は、強力なパスワードを設定し、二段階認証を有効にしましょう。しっかりとした対策を取ることで、不正アクセスを未然に防ぐことができます。

また、サービスのセキュリティ設定を十分に理解し、個人情報やデータの取り扱いについて確認しておくことも重要です。

(3)定期的なバックアップと代替サービスの検討

大切なデータは、定期的にバックアップを取りましょう。

また、万が一のサービス終了に備えて、あらかじめ代替サービスの検討をしておくと安心です。特に、重要なデータをクラウド上に保管する場合は、複数のサービスを利用してリスクを分散させることが大切です。


無料のソフトウェアやWebサービスは非常に便利ですが、その利用にはリスクが伴います。これらを安全に活用するためには、背後に潜むリスクを理解した上で、慎重に対応することが求められます。

無料で利用できるからこそ、リスクを十分に理解し、日々の生活の中で上手に活用していきましょう。

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