2024.10.28
情報セキュリティ白書
目次
今回は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)から7月30日に発行された「情報セキュリティ白書2024」について紹介します。
「情報セキュリティ白書」は毎年発行されており、国内外で起きているサイバー攻撃や、それに対する対策がわかりやすくまとめられています。
この白書を読めば、どんなサイバー攻撃が流行しているのか、どうやって守ればいいのかを知ることができます。
主な対象者は企業のセキュリティ担当者や経営層、IT部門の方々で、中小企業の経営者や、サイバーセキュリティに関心があるすべての方にとって有益な内容が盛り込まれています。
日常的にサイバーセキュリティに関わる方には、業務のガイドとして非常に役立つので、ぜひ読んでほしい資料です。
ただし、200ページ以上もあるので、すべてを読み切ろうとするのは大変です。
資料は販売されていますが、IPAのWEBサイトからPDF版をダウンロードできるので、PDF版で興味のある部分を読むだけでも十分有益な資料となっています。
「情報セキュリティ白書2024」の役割
この白書を読むことで得られるメリットは、次のようなものがあります。
(1)最新の脅威と対策を把握
2024年に注目すべきサイバーセキュリティのトレンドや脅威について、詳しく知ることができます。
(2)セキュリティ戦略の強化
白書に掲載されている具体的な事例や対策を参考にして、自社のセキュリティポリシーを見直すことができます。
(3)法令順守の確認
国内外のセキュリティ政策の最新情報を把握し、法令順守に役立てることができます。
(4)社内教育資料としての利用
従業員教育に使える実例や防御策が豊富に含まれており、社内研修の質を向上させることができます。
2024年版の構成と内容
次に、2024年版の構成と内容を、章ごとにご紹介します。
序章 2023年度の情報セキュリティの概況
2023年に発生した主なセキュリティインシデントや、国内外のセキュリティ政策の変化についてまとめています。
これを読むことで、昨年のセキュリティ動向を振り返り、今後の対策に役立てることができます。
第1章 情報セキュリティインシデント・脆弱性の現状と対策
ランサムウェアや標的型攻撃、ビジネスメール詐欺(BEC)など、2023年に観測された主なサイバー攻撃の手口とその対策が詳しく解説されています。
具体的な事例を通じて、どのような対策を取るべきかがよくわかります。
第2章 情報セキュリティを支える基盤の動向
国内外のセキュリティ政策や標準化の動向について解説されています。
また、サイバーセキュリティリスクに対応するためのフレームワーク(CSF)の改訂が紹介されています。サプライチェーンの上流の企業が改訂されたCSFを取り入れると、中小企業にも影響が及びます。
今後のセキュリティ施策を考えるうえで、最新の政策や標準化の動向を知っておくことは大切です。
第3章 情報セキュリティ対策強化や取り組みの動向
クラウドやIoTなどの最新技術に対応したセキュリティ対策の動向がまとめられています。
新技術を導入する際に注意すべきポイントが示されており、組織のセキュリティ強化に役立つ情報が掲載されています。
第4章 注目のトピック
注目トピックとして、虚偽情報の拡散の脅威とその対策の動向、AIのセキュリティが紹介されています。
AIのセキュリティでは、「AIを悪用したセキュ リティ脅威」と「AI に対するセキュリティ脅威」について解説されています。
生成AIのリスクが高まる中、これらの最新情報を把握することで、組織としての対応力を高めることができます。
気になった章はあったでしょうか。
この白書を読めば、国外のサイバーセキュリティに関するトレンドや動向も知ることができます。
また、資料中にあるコラムはサイバーセキュリティに詳しくない人でも難しくなく、抵抗感なく読める内容になっているので、ぜひ下に記したIPAのWEBサイトからPDF版の白書をダウンロードして、まずは気になったところから読んでみてください。
IPA 情報セキュリティ白書2024のサイト
https://www.ipa.go.jp/publish/wp-security/2024.html
情報セキュリティ白書は、企業が直面するサイバーリスクに対応するための重要なガイドです。
最新の動向を把握し、効果的なセキュリティ対策を講じることで、貴社の安全を確保してください。
この白書が、皆さんのセキュリティ強化にお役立ちできることを願っています。